情報教育
情報教育の発達段階的、体系的展開を目指して
これからの社会では、子どもたちは生まれたときから情報機器が身近に存在し、あたりまえのように活用して育ってきます。ですから、情報教育は必要がなくなるという考え方も一部に存在するかも知れません。
しかし、情報機器は一般的な電化製品と同じで使えればよいというものではありません。情報機器の利活用は、私たちの日常生活に多大な影響を与えるもので、使い方しだいで人間の生き方や、社会の方向性を左右します。
このような観点から、子どもの発達段階に応じて体系的に、情報の持つ意味や情報の科学的理解、情報と社会のかかわりなどの教育を推し進める必要があります。
現状は、コンピュータが人生の途中から出現したため、操作教育などは小学校から大学まで発達段階に差があるため多少の違いはあっても、似たような分野、手法で行われています。しかしこれから生まれてくる子どもたちは、先述したとおり人生の最初から身近に存在します。
そのため、幼児からの大学までの一貫した情報教育を展開するためのプログラムの作成が急務だと考えます。まず、幼児と小学生に焦点を当てて、情報教育の発達段階的、体系的展開をするためのプログラムの作成に着手すべきでしょう。
また、高等学校や大学における情報教育もきわめて大切です。高等学校では教科書も内容的に充実してきましたが、教える先生の力量と教科としての教授方法が今後の課題でしょう。大学の情報教育は、高等学校での授業の補完であったり、操作教育に偏っていたり、専門教育のための技術習得であったり実情は様々ですが、最終学府として情報社会で活躍できる人材を送り出すという観点、卒業後自ら学び続けることができる教育力を育成するという観点からも、大学で教えるべき情報教育の確立にむけて議論していくことが重要でしょう。
研究所では、ICTの教育での利活用と共に、ICTそのものについて教育する情報教育についても先述した観点から考えていきたいと思っています。