学校でのICT活用
ICT活用の2つのアプローチ
渡辺崋山画による「一掃百態寺子屋図(文政元年 田原市博物館蔵 )」などを参考に、今の学校と寺子屋での学び方について推察し比較したのが次の表である。
表 今の学校と寺子屋の学び方の比較
- 今の学校
- 一斉学習
- 同一学年
- 号令で始まる
- 黒板に全員が注目
- 同じことをする
- 一緒に考える
- 強制的な学び
- 集団優先
- 規律
- 寺子屋
- 個別学習
- 年齢バラバラ
- 自然と始まる
- 様々な方向を向いている
- 様々なことをする
- 一人で考える
- 自発的な学び
- 個人優先
- 自由
寺子屋では今の教室での学習の様子からみると本当に教育が成立しているのかと疑いたくなるような様であるが、主体的に学ぶことができる能力の涵養を重視した主体的な学習観のもとで教育がおこなわれていた。自発的な学びは、とても高い学力を生み出し、今の教育制度のとの質的な違いを指し示す重要な考えである。
明治政府から始まった今の教育制度は、社会的に有能な人材の育成を目指し、国の責任で教育をおこなうという考えで、集団での指導を中心に展開され成熟してきた。この集団での指導には「共に学ぶ」という大切な視点がある。
学習指導の形態が、個別学習と一斉学習と大きく異なり相容れないと考えがちであるが、
この二つの指導方法はどちらもきわめて大切な方法である。
当研究所ではICTの活用により次の図のような両者を融合した新しい授業スタイルを創造しようとしている。
